何だか悟空を見ているようで断る事が出来なかった。
「いいよ、一緒に遊ぼう。」
「やったぁー!えっとそれじゃぁねぇ・・・」
嬉しそうに飛び跳ねながら、何をして遊ぼうか考えている。
突然出会ったあたしを怪しまず、一緒に遊ぼうって言ってくれてるんだからその期待には応えなきゃね。
少し遊んでからお話すればいいや。
「それじゃぁオイラとかくれんぼしよう♪」
「かくれんぼ?」
「うん!で、隠れる場所はこのお城の中だけね。勝手に外に出るとお兄ちゃんに怒られるから・・・」
李厘の言葉の一部が頭に引っかかり、あたしは慎重に言葉を選びながら李厘に確認した。
「・・・吠登城の中だけで遊ぶんだね?」
「うん!」
見事な誘導尋問!(何処が!?)
これでようやく現在地は確認できた。
ここは桃源郷にある吠登城の中の一室。
でも分かったのはそれだけ、今が何時頃なのか、妖怪達の暴走は始まっているのか、聖天経文はすでに玉面公主の元にあるのか、三蔵たちは既に旅に出ているのか。
もし経文が既にここにあるなら今のうちの取り返して・・・あ、でも待って・・・あたしが先に経文を取り返したら・・・最遊記にならないじゃん!!
「・・・そりゃダメだ。」
「にゃ?かくれんぼキライ?」
気づくと李厘が目の前で心配そうにあたしの顔を覗きこんでいた。
どうやら一気にいろんな情報が頭に流れ込んできたので、暫く意識が飛んでいたらしい。
「かくれんぼキライなら、他の遊びでもいいよ?」
「ううん、そんな事ないよ。かくれんぼ好きだよ。」
今李厘に怪しまれては他の事を確認する事が出来ない。
まずは李厘と仲良くならなきゃね。
「よーし、それじゃぁじゃんけんでオニ決めだ♪」
「はいはい。それじゃぁ、ジャンケン・・・」